2019年09月10日
2019年も台風15号・台風19号が発生し、日本各地において甚大な被害が出ました。
被災された方々及び自治体様には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
今回は「西日本豪雨の経験から 〜1年の振り返り〜」をテーマにお話したいと思います。
「西日本豪雨災害の発生時、警報や避難情報の配信はもとより、災害後のアプリ利用状況も高く推移。被災者に対して、避難所や生活インフラ、救援物資、ボランティア情報など、災害後にも必要な情報発信ができました。」…これは、西日本豪雨時にもアプリで情報発信を続けた、岡山県高梁市役所の広報課担当職員様から頂戴した貴重なお言葉です。
■西日本豪雨そのとき高梁市では
2018年7月6日(金)の岡山県は、午後から雨脚が強くなり、同日19時39分に岡山県初となる大雨特別警報が発表されました。
「晴れの国」と呼ばれ、雨が少ないことで知られる岡山県で大雨特別警報が発表されたことに、私自身も大変驚き、危機感を覚えたことをよく記憶しています。
これと同時に、高梁市内全域に避難勧告が発令され、高梁川広瀬観測所では同日22時に12.89mの水位を記録し、その後観測不能となりました。
岡山県内の被害では倉敷市真備町の被害が最も大きく、ニュースでも大きく報じられましたが、同じ高梁川水系の流れる高梁市でも深刻な被害(死者2名、行方不明1名、住宅被害560戸)が出てしまいました。
この頃、高梁市役所では周囲の道路が冠水・寸断されたことから、多くの職員が役所内に留まり一夜を過ごされたようです。
特に広報課の職員様は、被害や避難所の状況を少しでも早く市民に伝えるため、それから数日間を役所内で過ごし、市役所のウェブサイト更新やメールマガジンにて、情報発信をきめ細やかに続けられたとお聞きしました。
また、アプリの管理画面を使って、情報が錯綜する中、情報の訂正を行ったり、さらにきめ細やかな情報配信を行われたようです。
■ローカルアプリの強み
当時、高梁市様では当社のアップ・ポータルのご導入から3年3ヶ月が経過しており、それまでの利用者は高梁市人口の約3%ほどでした。
しかし、西日本豪雨の発生前後で、一気に利用者数は約5%近くまで、利用率は平時の約30倍までに増加しました。
この数字は、ローカルアプリで防災情報を収集することの有効性を住民自らが気づき、有効活用されたことの証しであると考えております。
よくある防災アプリは、全国の各種防災情報を素早く伝達できるスグレモノなのですが、高梁市様のアプリでは、防災情報に加え、災害の収束後もライフライン情報や避難所での支援活動状況、復旧/復興に関する情報も継続して発信されたため、災害後の利用状況も極めて高く推移しました。
西日本豪雨発生当時、岡山県内では高梁市様以外にもアップ・ポータルは複数の自治体様でもご利用いただいておりましたが、全ての自治体様で利用者数・利用率は高梁市様と同様の傾向が出ておりました。
また、これらの自治体様では、アプリの運用を完全自動で行われていたため、後ほどになって、当社からの利用状況報告を聞いた担当職員様が大変驚かれていたのを記憶しております。
アップ・ポータルは、自治体が発信する防災メールやSNS、ウェブサイト更新をアプリへ自動的に通知として流し込む仕組みとなっています。
これらの情報がアプリを通じて直接手元に届くことが、災害に直面した住民にとって安心感につながったのではないかと考えております。
■アップ・ポータルの進化
西日本豪雨がピークを迎える7月6日の22時頃、アップ・ポータルを裏で支えるバックエンドサーバーがアクセス急増のため高負荷となりました。
それまでサーバーには十分な性能を持たせていたつもりでしたが、想定外の事象に対してはサーバーのスペックに余裕のないことが判明しました。
この経験をもとに、今年、私たちはアップ・ポータルのバックエンドサーバーを大きく進化させました。
数倍のサーバー強化、処理分散、プログラムチューニング、セキュリティ、スケーラビリティなど数多くの見直しを行い、より多くの利用者が同時アクセスを行っても十分に耐えられる設計を行い、2019年の梅雨までにリリースできるようチーム一丸で取り組みました。
そして、今年6月初旬に新バックエンドサーバーでのサービス提供を開始。大雨・台風の時期になんとか間に合わせることができました。
また、現在ではアプリの多言語化に向けて鋭意開発を進めています。
1つの日本語の情報ソースから複数言語への同時翻訳を行い、災害時にも外国人を不安にさせることなく、正しく誘導することができるよう、アップ・ポータル開発チームは使命感を持ってアプリを進化させていきたいと考えています。
アプリの多言語化は2019年10月中に開発が完了し、各自治体様で順次リリースされる見込みとなっています。
アップ・ポータルは、年々深刻化する災害や外国人の増加など、社会情勢に合わせて機能の追加とシステムの強化を継続しますので、今後もご期待ください。
被災された方々及び自治体様には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
今回は「西日本豪雨の経験から 〜1年の振り返り〜」をテーマにお話したいと思います。
「西日本豪雨災害の発生時、警報や避難情報の配信はもとより、災害後のアプリ利用状況も高く推移。被災者に対して、避難所や生活インフラ、救援物資、ボランティア情報など、災害後にも必要な情報発信ができました。」…これは、西日本豪雨時にもアプリで情報発信を続けた、岡山県高梁市役所の広報課担当職員様から頂戴した貴重なお言葉です。
■西日本豪雨そのとき高梁市では
2018年7月6日(金)の岡山県は、午後から雨脚が強くなり、同日19時39分に岡山県初となる大雨特別警報が発表されました。
「晴れの国」と呼ばれ、雨が少ないことで知られる岡山県で大雨特別警報が発表されたことに、私自身も大変驚き、危機感を覚えたことをよく記憶しています。
これと同時に、高梁市内全域に避難勧告が発令され、高梁川広瀬観測所では同日22時に12.89mの水位を記録し、その後観測不能となりました。
岡山県内の被害では倉敷市真備町の被害が最も大きく、ニュースでも大きく報じられましたが、同じ高梁川水系の流れる高梁市でも深刻な被害(死者2名、行方不明1名、住宅被害560戸)が出てしまいました。
この頃、高梁市役所では周囲の道路が冠水・寸断されたことから、多くの職員が役所内に留まり一夜を過ごされたようです。
特に広報課の職員様は、被害や避難所の状況を少しでも早く市民に伝えるため、それから数日間を役所内で過ごし、市役所のウェブサイト更新やメールマガジンにて、情報発信をきめ細やかに続けられたとお聞きしました。
また、アプリの管理画面を使って、情報が錯綜する中、情報の訂正を行ったり、さらにきめ細やかな情報配信を行われたようです。
■ローカルアプリの強み
当時、高梁市様では当社のアップ・ポータルのご導入から3年3ヶ月が経過しており、それまでの利用者は高梁市人口の約3%ほどでした。
しかし、西日本豪雨の発生前後で、一気に利用者数は約5%近くまで、利用率は平時の約30倍までに増加しました。
この数字は、ローカルアプリで防災情報を収集することの有効性を住民自らが気づき、有効活用されたことの証しであると考えております。
よくある防災アプリは、全国の各種防災情報を素早く伝達できるスグレモノなのですが、高梁市様のアプリでは、防災情報に加え、災害の収束後もライフライン情報や避難所での支援活動状況、復旧/復興に関する情報も継続して発信されたため、災害後の利用状況も極めて高く推移しました。
西日本豪雨発生当時、岡山県内では高梁市様以外にもアップ・ポータルは複数の自治体様でもご利用いただいておりましたが、全ての自治体様で利用者数・利用率は高梁市様と同様の傾向が出ておりました。
また、これらの自治体様では、アプリの運用を完全自動で行われていたため、後ほどになって、当社からの利用状況報告を聞いた担当職員様が大変驚かれていたのを記憶しております。
アップ・ポータルは、自治体が発信する防災メールやSNS、ウェブサイト更新をアプリへ自動的に通知として流し込む仕組みとなっています。
これらの情報がアプリを通じて直接手元に届くことが、災害に直面した住民にとって安心感につながったのではないかと考えております。
■アップ・ポータルの進化
西日本豪雨がピークを迎える7月6日の22時頃、アップ・ポータルを裏で支えるバックエンドサーバーがアクセス急増のため高負荷となりました。
それまでサーバーには十分な性能を持たせていたつもりでしたが、想定外の事象に対してはサーバーのスペックに余裕のないことが判明しました。
この経験をもとに、今年、私たちはアップ・ポータルのバックエンドサーバーを大きく進化させました。
数倍のサーバー強化、処理分散、プログラムチューニング、セキュリティ、スケーラビリティなど数多くの見直しを行い、より多くの利用者が同時アクセスを行っても十分に耐えられる設計を行い、2019年の梅雨までにリリースできるようチーム一丸で取り組みました。
そして、今年6月初旬に新バックエンドサーバーでのサービス提供を開始。大雨・台風の時期になんとか間に合わせることができました。
また、現在ではアプリの多言語化に向けて鋭意開発を進めています。
1つの日本語の情報ソースから複数言語への同時翻訳を行い、災害時にも外国人を不安にさせることなく、正しく誘導することができるよう、アップ・ポータル開発チームは使命感を持ってアプリを進化させていきたいと考えています。
アプリの多言語化は2019年10月中に開発が完了し、各自治体様で順次リリースされる見込みとなっています。
アップ・ポータルは、年々深刻化する災害や外国人の増加など、社会情勢に合わせて機能の追加とシステムの強化を継続しますので、今後もご期待ください。